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戦後民主主義国家の否定か肯定か [politics]

 nikkeibp.jpで連載されている立花隆の「メディア ソシオ-ポリティクス」で、安倍政権について立花隆氏がコメントしている。

 新総理 安倍晋三が受け継ぐ“妖怪”岸信介の危険なDNA(2006/09/29)

 この記事において立花氏は、安倍は戦後民主主義国家日本というものを、基本的に否定的にとらえ、この国を作り直さなければならないと考えているが、このような安倍の考えは基本的にまちがっているとし、戦後民主主義国家日本の基本的あり方、基本的生き方は正しかったと述べている。

 立花氏は、憲法あったからこそ戦後国家日本の繁栄があり、いま憲法を改正しなければならない特段の理由はないと述べている。なかでも、その繁栄は9条のおかげだとも述べている。

 しかし、9条が変えられることの弊害(一国の経済が軍事中心となること)を、冷戦下のソ連とアメリカを例に出し、警告している。

 ”冷戦下のソ連がその典型で、すべてが軍事中心で動いたため、ソ連では、民生部門にあらゆる意味でリソース(物財も人材も、資金も、資源も、エネルギーも)まわっていかなくなり、ついには国家がたちいかなくなって滅んだのである。

 ”アメリカでも経済の軍事化が激しく進んでおり、いまでも、国家予算の約半分が軍事部門に向けられている。

 ”あの長きにわたった冷戦の間、日本だけが、9条のおかげで、経済の軍事化の波をかぶらないですんだ。そこに日本の経済的繁栄の根幹があった。

 ”日本はすべてのリソースを民生部門にふりむけることができたから、世界の民生品市場で日本の商品が圧倒的勝利をおさめることができた。”

 つまり、9条を変えるということは、日本のこれまでの繁栄の基盤を失う危険をはらんでいるということなのだ。

 "安倍が考えているような方向(憲法改正、経済の軍事化容認、日米安保の強化=アメリカの行くところどこでもついていく)に日本が向かってしまうと、日本は軍事立国の方向に向かってしまう。それは当然に周辺諸国に無用の警戒感、敵対感情をもたらし、これまで日本の繁栄を築いてきた日本に対していつも好感あふれる国際環境にとりかこまれていることという大切な条件も掘りくずしてしまう。そうなると、日本はこれまでの繁栄の基盤を次々に失ってしまうことになる。"

 なお、この記事の元になった日本外国特派員協会(外人記者クラブ)での講演は、ビデオニュース・ドットコム インターネット放送局で見ることが出来る。

 プレスクラブ  安倍首相の歴史認識は甘い 立花隆氏講演(東京・外国特派員協会)(2006年09月27日)


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しゅんち

はじめまして。
武器を持たない国であることに「美しい国、日本」を見つけてほしいです。
それに、改憲よりも福祉政策をもっと優先して欲しいですよね。
by しゅんち (2006-09-30 01:55) 

スパイラルドラゴン

こんにちは。
一部の報道機関では既に始まっていますが、立花氏が安倍に対する批判を本格的に開始すれば、他のマスコミ関係者も一斉に同調行動を取り、内閣支持率が急降下すると思います。
それにしても、安倍ほど埃まみれの総理大臣も珍しいと思います。
by スパイラルドラゴン (2006-09-30 11:26) 

大使

しゅんちさん、はじめまして。
コメントありがとうございます。
> 改憲よりも福祉政策を
おっしゃる通りです。お金をかける所が間違っていますね。

スパイラルドラゴンさん、コメントありがとうございます。
他のマスコミが、きちんと批判してくれれば良いのですが、、
そういえば、NHKへの恫喝問題もありましたね。
by 大使 (2006-09-30 23:54) 

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